変人とよく言われる鍼灸師のM氏

雑記ブログ。主に書評、健康に関する情報を載せていきます

【心理学・脳科学から見た、オレオレ詐欺 の実態】「脳は、なぜあなたをだまずのか」

今回は「脳は、なぜあなたをだますのか」について書かせて頂きたいと思います。

 

作者:妹尾 武治

 

この本は、心理学と脳科学を兼ね備えた本です。

 

 

数ある項目の中で、M氏が面白かったところをピックアップさせて頂きました。

 

対象者

 

 

 

 

 

など当てはまる方は、宜しければ見てください。

 

 

突然ですが、

 

なぜ毎回ニュースで呼びかけているのに、オレオレ詐欺が絶えないのか?

 

 

と考えたことはありますか?

 

 

結論からいいますと、「注意資源」「二重課題」が原因だからです。

 

聞きなれない言葉ですよね。

 

心理学においても、これらは重要な概念なので説明させて頂きます。

 

ではまず、「注意資源」について

 

何かの課題を適切にこなそうと思ったら、注意の力が必要です。

その注意の力を「注意資源」と呼びます。  

 

ここで大事になってくるのが、注意資源の容量は、人それぞれ大きく異なることです。

 

例えば、簡単な作業でも上手くこなせる人と、こなせることができない人がいるとします。

 

前者は注意資源の容量が大きい。後者は容量が少ないに値します。

 

もっと深く掘り下げていきますね。

 

2つの課題を同時にすることを心理学の用語では、「二重課題」と呼びます。

 

例えて言いますと、縄跳び(課題)をしながら32×14の計算(課題)をする感じです。

 

縄跳びをしながらその計算に答えられなかった人がいてるとします。

 

それはなぜなのか?

 

それは自分の持っている注意資源の「容量」を超えているからです。

 

仮に自分の注意資源が100として、縄跳50、計算60みたいな感じです。

 

100の容量に対して110だとオーバーしています。

 

なので、いずれは縄跳びも引っかかり、計算が出来ないまま終わります。

 

これが「注意資源」と「二重課題」です。

 

でも、出来ないままだと悔しいですよね?

 

解決する方法は1つだけあります。

 

それは課題に対する注意資源を減らすことです。

 

練習や、毎日の習慣が注意資源を減らせます。

 

M氏で例えると、パソコン初心者でタイピングが遅かったです。

 

打つのに必死で、文章を考える作業が疎かになりがちでした。

 

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*写真はイメージです。

 

しかし、次第にタイピングが早くなったことにより、文章を考える余裕が持てたのです。

 

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 *耳かきが映っています。

 

それは、タイピングの注意資源が減ったことにより、容量に空きが出来たからと言えます。

 

 

自分の容量は増やせないの?

 

と思った方もいると思います。

 

残念ながら、それは無理な話です。

 

ですが、コツコツに勝る近道はありません。

 

 自分の注意資源が100で、天才が200あったとします。

 

毎日、コツコツ訓練して100の資源が、必要な課題を50から10になるまで落とせれば、努力していない天才よりも、ずっと効果的に課題がこなせるのである。

 

と作者は述べます。

 

コツコツのすばらしさはこちらにも載せていますので、宜しければ見て下さい。

 

 

mshinkyuu.hatenablog.com

 

 

もちろん、天才も努力をする。

 

だから天才にいつまでたっても追いつけないかもしれません。

 

しかし、だからといって、自分が努力をしない理由にはならないだろう。

 

By作者

 

素敵な言葉ですね。

 

M氏もひたすら文章を書き続けたいと思います。

 

 

 

では理解したところで、オレオレ詐欺の場合はどうなるのか?

 

自称息子(詐欺師)は矢継ぎ早に、困難な状況や、金銭的な条件を言ってきます。

 

それに対して被害者の方は、その話を理解しなければいけない課題を持たされるのです。

 

その時、自称息子(詐欺師)が本当の息子かどうかを声や会話で探ることも被害者はします。

 

つまり、探るという課題を持たされているのです。

 

理解する課題+探る課題=二重課題

 

オレオレ詐欺は矢継ぎ早に話をしかけて、息子かどうかの判断(課題)に注目がいかないように工夫がされています。

 

そのため、電話越しでしっかり対応した高齢者は、もうひとつも課題に失敗してしまい、相手を息子だと誤信してしまうのです。

 

しかも、オレオレ詐欺に引っかかるケースは高齢者に多いです。

 

心理学の研究で高齢者は加齢の為、注意資源の総量が少なくなっていることが明らかになっています。

 

 

ではどうすればいいのか?

 

それは、二重課題状況を回避することです。

 

なので、一度電話を切って会話自体を強制するのが、最善の手といえます。

 

電話を切ってしまえば、会話を成立させるという課題は消えてなくなり、そこに割かれる注意資源は完全に0になります。

 

そこで、息子の判断(課題)に100%の注意資源を用いて専念すればいいのです。

 

 

例えば、息子に電話し直してもいいですし、息子の会社に電話してもいいでしょう。

 

大事なのは二重課題の状況を自分の意志でシャットダウンすることです。

 

 

いかがだったでしょうか?

 

錯覚を解くのは難しいです。

 

ですが、知っているのと知らないのでは話が違ってきます。

 

知識を増やして、被害にあわないようにしましょう。

 

他にも、結局は「顔」の心理学や、お金持ちと貧乏人どちらがモラルが高いのか。

 

についてなど書かれています。

 

気になる方は、こちらに載せさせて頂きますね。

 

 

 

 

それではまた。